2014年3月5日水曜日

2014年3月4日のローリング・ストーンズ東京ドーム公演

4日のローリング・ストーンズの東京ドーム公演に行ってきました。

関節炎を患い、ギターの演奏能力が衰えているキース・リチャーズを見るのは、おそらくこれが最期……そう思うと、見たいような、見るのが怖いような、そんな気分で東京ドームに向かいました。幸いにもアリーナのCブロック、右側からステージがよく見える良い席が手に入りました。

午後7時過ぎ、照明が落ち、パーカッシヴな強烈なリズムのオープニングが流れ、轟音と共に「START ME UP」で開幕。初回、体調が優れなかったキースもこの日は元気いっぱい、笑顔で動き回りながらギターを弾いていた。

でも、もう指が動かないのがハッキリ分った。「IT'S ONLY ROCK AND ROLL」「ANGIE」「GIMME SHELTER」などのイントロを大幅に音数を減らしてた。特にアルペジオが正確に弾けなくなっているみたいだった。キースのフレーズが目立つ場面では、ミックが気遣うように見守っていたのが印象的でした。

ミック・ジャガーのパフォーマンスはまさに圧倒的でした。今まで見た中では一番良かったんじゃないかな。

歳と共に高音が出なくなり、曲の高音部を1オクターブ下げて歌うことは良くあるし、ミックもそうしていたけど、昨日はオリジナルどおりにシャウトしているのを聴いて仰天しました。

広いステージを走りまくり、踊りまくり、観客を煽りまくる70歳のミックを見て、この男は化け物だと思いましたw

節制と鍛錬とそして長年の経験に裏打ちされた驚異的なパフォーマンス。感激しました。

常にバンドをドライヴさせるチャーリー・ワッツのドラムにダリル・ジョーンズのベース。衰えたキースをサポートするロニー・ウッズのギター、どれも素晴らしかった。

メンバー紹介で、ミックは、バックコーラスのリサ・フィッシャーを「オスカー受賞おめでとう」と紹介してた。何のことかわからなくて、帰宅して調べてみたら、彼女が出演した映画「バックコーラスの歌姫たち」が、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得してたんですね。

メンバー紹介では、ダリル・ジョーンズをチャック・リーベルと間違えそうになったり、照れるチャーリーを無理に花道に引っ張っていったりと楽しいシーンが多く、観客に受けていました。

40年ぶりに演奏する「SILVER TRAIN」が聴けたのも思わぬプレゼントでした。

後半の代表曲のオンパレードでは、もちろん大いに盛り上がったけど、一番感動したのはキースのソロパート1曲目「SLIPPING AWAY」。

また新しい日が始り、漂いながら消えてゆく
息を吸う度に、過ぎ去ってゆく
まず太陽が昇り、次に月
どちらかがすぐに昇ってくる。
滑り抜けるように消えてゆく
漂いながら消えてゆく……

全ては時の流れと共に消えてゆくこと穏やかな表情で歌うキースを見ながら、ストーンズに関するいろんなことを思い出し、目頭が熱くなりました。

この曲がリリースされたのは、初来日の前年1989年だったけど、あの時だって、解散同然だったストーンズが突然復活し、最初で最後のストーンズが見られる!って喜んでたんだもんね。

2014年にまさかキースが生きていて、東京ドームで演奏する姿が見られるなんて想像すらできなかった。それを考えれば、今回のツアーはまさに奇跡としか思えない。それを見ることができたのは、長年のストーンズ・ファンとしては至福の体験でした。

昨日のステージの様子、公式にYouTubeで公開されてますね。


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セットリスト

START ME UP
YOU GOT ME ROCKIN'
IT'S ONLY ROCK AND ROLL
TUMBLING DICE
ANGIE
DOOM & GLOOM
SILVER TRAIN (BY REQUEST)(w/ Mick Taylor)
HONKY TONK WOMEN
-INTRO-
SLIPPING AWAY (KR)(w/ Mick Taylor)
HAPPY (KR)
MIDNIGHT RAMBLER (w/ Mick Taylor)
MISS YOU
PAINT IT BLACK
GIMME SHELTER
JUMPING JACK FLASH
SYMPATHY FOR THE DEVIL
BROWN SUGAR
-ENCORE-
YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT (w/ Choir)
SATISFACTION (w/ Mick Taylor)



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